テストでも測りたい言語機能

評価

1学期の終わりが近づき、期末試験がありました。

今回の試験範囲は主に現在完了と間接疑問文。

毎回、定期試験の作問の際には、授業内容があまり充実していなかったと反省する機会となる。

定期試験は基本的には授業で取り組んだ内容をどれだけ達成することができているかを確認する場であるが、その内容があまり充実させることができておらず、どうしてもいつも問題集にあるような問題(空所補充や並び替えなど)ばかりになってしまう。

もちろん今回の試験範囲が現在完了と間接疑問文であったので、語形変化(動詞の形を時制や主語に応じて形を変えることができるか)や空所補充(twice, alreadyやsinceなどの現在完了と一緒に使う表現を覚えているか)、並び替え問題(間接疑問文を正しく作ることができるか)については文法上出題する意義はあると思う。しかし、これらは基本的には「形式」や「意味」に関する出題である。

和泉(2009)は、言語習得について、母語や第二言語に拘わらず、言語形式(form)、意味内容(meaining)、言語機能(function)の3つ要素が関わり、これらの中で1つでもかけると言葉として役に立たなくなるとしている(下記図参照)。

言語形式:音声、語彙、文法、綴りなど

意味内容:言語形式を持って伝える内容

言語機能:いつ、どのような場面で、何のために使うか

言語習得の3要素

出典:和泉(2009)

コミュニケーション能力を育成するために、授業の中でそれぞれの文法項目について、この3要素について扱うことが重要であるが、テストにおいてもやはり「機能」に関する出題も行っていきたい。もちろん「機能」に関する評価は授業中の中で行い、「形式」と「意味」の評価を定期試験で行うこともできるだろう。ただ、授業で行った「機能」に関する活動をテストで再度確認することによって、波及効果もあり、生徒たちは授業中の活動への取り組みの意識に良い影響を与えることができ、テスト勉強にもさらに力を入れ、英語力を高めることができると思う。

理想を言うと、学期の計画を立て、その中で各課の評価内容を決め、試験を作成することを学期が始まるまでに行うことができればいいのだが、そこは夏休み中の時間との勝負になるだろう。落ち着いた時間の間に、最低でも計画と評価内容は決め、次回の定期試験の中には「使用」に関する設問を取り入れたい。

授業改善についてはまた今度書きたいと思います。

皆さんの実践や研究の少しでも役に立てば幸いです。Tomorrow is another day.

引用文献

和泉伸一. (2009). 「フォーカス・オン・フォーム」 を取り入れた新しい英語教育 . 大修館書店.

Last Updated on 2024年3月29日

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