いよいよ5月に入りました。GWは皆様いかがお過ごしでしょうか。テレビを見ていると,世間的には4月26日(土)にはGWが始まっていたようですが,学校教員にとっては無縁な話ですね。私は私立勤務ということもあり,GW前半でさえも日曜と火曜の飛び飛びでした…(涙)
さて,前回からは主に中学校で取り組まれている5ラウンドを取り上げ,5ラウンドの概要について紹介しました。
今回の投稿では,先日訪問した5ラウンドでの授業実践について紹介したいと思います。
5ラウンドについては此方の書籍をご確認ください。
5ラウンドの授業
1年生授業(ラウンド5)
学校訪問ではまず1年生の授業を見学しました。5ラウンドとしては5ラウンド目のリテリングの段階でした。授業の最初はチャンツが始まり,その日の日付等を確認して,チャンツが行われ,そこからのスモールトークが始まりました。スモールトークではDo you know other languages?を皮切りに,外国語の話が広げられていました。生徒たちもドイツ語や韓国語について自分が知っている内容を思い思いに話していました。そして,期末試験が近いこともあり試験の事項を確認した後,ラウンドが始まりました。その時のラウンドは年度の最終に近づいているので,教科書の終盤の単元の5つ目のラウンドでした。最初にその単元の内容の復習をすると,生徒たちは,baking a cakeやwent to a shopping mall,I have no ideas.など,その単元で使用された表現を次々に言っていきました。5ラウンドによって,それらの表現が生徒たちの中で定着していることの何よりの成果かと思いました。この後に生徒が取り組むリテリング活用が待っていたので,I have no ideas.などの表現が出た際には,第3者からの表現になるように,She has no ideas.などのフィードバックも行われていました。内容の復習後は教科書の巻末にあるそのレッスンのピクチャーカードとキーワードが書かれたリテリングのためのページをもとに,ペアまたはグループでのリテリングに取り組んでいました。おぼつかない生徒もいましたが,ほとんどの生徒が写真とキーワードをもとに,英語をアウトプットができていたのは5ラウンドの成果と感じました。
2年生(ラウンド1)
次に,2年生の授業を見学させていただきました。2年生では2年生の教科書を既に終えて,3年生の教科書に入り,5ラウンドとしては1ラウンド目のピクチャーカードの段階でした。此方も授業はチャンツから始まり,その後短めの英文が配布され,生徒はそれを読んで内容理解問題2問に取り組んでいました。その後,内容解説とその英文に関連した内容についてスモールトークが日本語を交えて行われていました。読んだ英文が2月と3月が日と曜日が同じであることについてであったので,生徒の1名が驚いた様子で,何故同じであるかについて教師が説明しているのが印象的でした。スモールトークの後は,5ラウンドのピクチャーカードに移り,まず,扱う単元の全てのパートの音源を1度に聞き,生徒は聞いた内容を素に,教師が無作為に黒板に貼ったその単元のピクチャーカードをクラス全体で話し合って入れ替えていました。その後,何度か音源を聴いた後,教師が内容について説明しながら答え合わせをしました。3学期の中学2年生ということもあり落ち着いた雰囲気ではありましたが,決して短くなく,そして内容もある音源を聞き続ける集中力については素晴らしいものでした。また,最初のスモールトークでも5ラウンドでも教師が日本語を交えながらも基本的にほぼ全て英語で進めていたことも大変参考になりました。
まとめ
今回は,5ラウンドに実際に取り組まれている学校での授業の様子について紹介しました。初めて5ラウンドの授業を見て,実際の授業実施や生徒の取り組みには参考になる部分が本当に多く,繰り返すことの重要性について改めて考えさせられました。今回の授業見学にあたって,期末試験前のお忙しい中,授業見学を快くお引き受けいただいた学校の皆様,そして授業を見せてくださった皆様にこの場で感謝申し上げます。
次回は,授業見学を経て感じたことや考えたことについて紹介しようと思います。
皆さんの実践や研究の少しでも役に立てば幸いです。Tomorrow is another day.
参考文献
金谷憲 (2017).『英語運用力が伸びる5ラウンドシステムの英語授業』大修館書店.
Last Updated on 2025年5月2日
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