昨日に引き続き、定期試験について書こうと思います。
新学習指導要領が中学校では昨年より、高等学校では今年より施行されました。今回の改訂では、「知識・技能」、「思考・判断・表現」、「主体的に取り組む態度」のそれぞれの観点で現場では評価を行うことになっています。
それぞれの観点の内容についてはまた今度まとめようと思いますが、国立教育政策研究所教育課程研究センター(2020, pp.9-10)はこれらの測定方法を下記のようにしています。
「知識・技能」
ペーパーテストにおいて事実的な知識の習得を問う問題と、知識の概念的な理解を問う問題のバランスに配慮するなどの工夫改善を図るとともに、児童生徒が文章による説明をしたり、各教科等の内容の特性に応じて、観察・実験したり、式やグラフで表現したりするなど、実際に知識や技能を用いる場面を設けるなど、多様な方法を適切に取り入れていくことが考えられる
「思考・判断・表現」
ペーパーテストのみならず、論述やレポートの作成、発表、グループでの話し合い、作品の作成や表現等の多様な活動を取り入れたり、それらを集めたポートフォリオを活用したりするなど評価方法を工夫することが考えられる
「主体的に取り組む態度」
ノートやレポート等における記述、授業中の発言、教師による行動観察や児童生徒による自己評価や相互評価等の状況を、教師が評価を行う際に考慮する材料の一つとして用いることなどが考えられる
これらが示すことは、従来のペーパーテストを中心にした評価ではなく、あくまでペーパーテストを評価材料の1つとして扱い、授業の様々な場面を評価の場面にすることができる、そして、そういう場面にしていく必要があるということでしょう。ということは、授業デザインも定期試験も含めてこれまで以上に改善していく必要があるのではないでしょうか。
もう既に様々なところで授業デザインについては検討が行われ、昨今では学校全体で定期試験を廃止する動きもあります。私個人としては、定期試験は、それを行うことで生徒たちが1つの目標に向けて努力する機会となるのでは必要であると考えますが、その一方で「今までそうやってきたから」という理由で思考を停止するのではなく、授業デザインとして生徒たちがよりエネルギーを注ぐ意味のあるものになるように、定期試験の役割については議論する価値があると思います。
今回はここで1度終えようと思います。続きは次回に話せればと思います。
皆さんの実践や研究の少しでも役に立てば幸いです。Tomorrow is another day.
引用文献
国立教育政策研究所教育課程研究センター. (2020).「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料 中学校英語,東洋館出版社.
下記のURLより閲覧することができます↓↓
https://www.nier.go.jp/kaihatsu/pdf/hyouka/r020326_mid_gaikokg.pdf
Last Updated on 2022年7月5日
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