単元によって授業を変えませんか?〜TANABU Modelその6〜

TANABU Model

2月も下旬に入り,いよいよ今年度の国公立大学の前期入試が近づいてきましたね。共通テストから1ヶ月,そして私立大学の入試も経て,ここまでなかなか思い通りにいかなかったことも多かったと思いますが,今まで準備してきたことを本番で全て出し切ることができることを祈っています。

さて,前回の投稿ではTANABU Modelの超こってりコースについて,実際にどのように実施したかを交えて紹介しました。

今回の投稿では,その超こってりコースのパフォーマンステスト本番についてどのような様子であったかを紹介していきたいと思います。

前回の投稿は此方から。

TANABU Modelについては此方の書籍でご確認ください。

パフォーマンステスト本番

さて,いよいよ本番の日を迎えました。前の時間のリハーサルの際に授業前の休み時間でスタジオの準備をしておいてほしいと伝えていたので,生徒たちが前回設営したスタジオの状態にしてくれ,クラス全体が準備万端の状態でした。

発表順については当日のくじ引きとし,毎回呼ばれたペアから私のところに来て,Bessie役と司会者役を決め,司会者役に決まった生徒は5つの質問の9時から3つを選び,発表の準備をしました。

ただ,やはり不安な生徒も多く,原稿をペアで何度も確認している様子でした。そのため,実施の前に,司会者役もBessie役も観客役も楽しく終えることができるように話し,2時間に分けて本番を開始しました。

最初のペアは特に緊張したかと思いますが,始まってみるとどの班もしっかりと受け答えもでき,話す英語もただ原稿を丸暗記してきたものではなく,意味のまとまりや抑揚に気をつけて話すことができており,当日までの週末で相当練習してきたんだなと感じました。また,観客役も多くいましたが,ペアということもあり仲の良い友達同士ということもあり緊張することなくお互いに目線を合わせながら笑顔で楽しそうに会話をしていたのがどの班にも見られました。

あまり今回はアドリブや独創性については行っていなかったのですが,司会者役からの質問に対してBessieが答えた後に,I see.やReally?などの相槌を打つように指示はしていましたが,その後にさらに追加の質問を加えるペアも多くあり,自分たちなりに会話の流れを踏まえて自然なやりとりのためにどういった受け答えをしたほうがいいのかということをよく考えてくれていました。一方で,Bessie役の回答に対して,台本に書いてあるものをどれか言わねばと思い,話の内容や流れにかかわらずIt’s interesting!と言ってしまうペアもあり,そこについては指導不足でした…

また,基本的には司会者が先に席に座ってBessieを迎える流れでしたが,ある班は礼儀よく司会者も立ってBessie役を迎え,Please take your seat.など,台本にないセリフを自分たちで加えてくれていました。

他にも,事前に仕込んできたのか,司会者役やBessieを迎える時に握手をしたり,終わった最後に観客に向かって一礼をするなど,小ネタをたくさん準備してきたペアもありました。

昨年,早稲田大学の鈴木祐一先生に授業見学に来ていただいた際に,鈴木先生が生徒の方から勝手に遊び始めるということを聞いて,今回のテストの中でそもそも遊び始めてくれるのか,そしてどのように遊び始めるのかと思っていましたが,実際に生徒が遊びを入れている様子と,そしてそれを楽しんでいるクラスの雰囲気を見て,良い方向に活動が動いてくれてよかったです。

2日間の発表は,準備してきたものを発揮できたペアもあれば,何を話すかを途中忘れてしまったものの何とかアドリブで解決できたペアなどいろいろでしたでしたが,無事にそれぞれのペアが終えることができました。1年間の指導の中で,クラスの雰囲気もよく,受け答えもちゃんとできる生徒が多いクラスでしたが,正直今回の活動本番がどのような結果になるかは少し不安でしたが,期待以上の頑張りを見せてもらい,生徒たちへの労いももちろんですが,本当に良いものを見せてもらったと感謝を伝えました。また,早稲田大学の鈴木祐一先生にも今回の本番の2日間の内の初日に授業見学に来ていただき,授業後の協議では生徒たちが本当によく頑張っていたと仰っていただき,授業者としてこれ以上の言葉はなく,生徒たちには感謝しかありませんでした。

まとめ

今回はTANABU Modelの超こってりコースのパフォーマンステストの様子について紹介しました。今年度1年間はこってりコースばかりになり,練習してはRetellingという暗記が中心になっていましたが,3学期に初めて聴こってりコースを実施し,パフォーマンステストとして多少制限はあるものの自由度のある活動をしてみて,それを生徒たちが楽しんでいる様子を見て,ちゃんと意義を伝えれば生徒たちはしっかりと応えてくれる事を実感することができました。次年度に向けて,彼らとの残りの時間でどのような活動をさせたいかを春休みに考えていきたいと思います。

皆さんの実践や研究の少しでも役に立てば幸いです。Tomorrow is another day.

参考文献

金谷憲・堤孝 (2017).『レッスンごとに教科書の扱いを変えるTANABU Modelとは―アウトプットの時間を生み出す高校英語授業』アルク出版.

Last Updated on 2025年2月22日

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